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T-ch No.3 「妊娠と薬の話」

妊婦さんから時々「この薬って使って良いですか?」という質問を受けます。やはり、おなかの赤ちゃんに対する影響が心配になりますよね。

ご安心ください!多くの薬は胎児に影響を及ぼしません。例えば、市販の薬は、ほとんどが問題ありません(念のために購入時には薬剤師にご相談ください)。日本産科婦人科学会では「産婦人科診療ガイドライン2023」において下記の薬剤は胎児への影響があるため服用しないように推奨しています(表1、2、3)。

ご覧になると判るように、ほとんどが医師の処方する処方薬で馴染みがない薬ばかりです。唯一、妊娠末期(表3)の非ステロイド系抗炎症薬は市販もされています(内服薬〈ロキソニン®など〉や湿布薬など)。非ステロイド系抗炎症薬は特に妊娠28週以降は胎児の心臓(動脈管)に影響する場合があります。また最近では羊水が少なくなる羊水過少などの報告もみられているため使用しません。そのため妊婦さんの風邪などで発熱に対して使用する場合はアセトアミノフェン(カロナール®など)を用いることが多いです。

また妊婦さんの腰痛はとても多い症状ですが、安易に市販の湿布薬を使うことはやめましょう。湿布薬にもしっかりと非ステロイド系抗炎症薬が含まれていますので、軽い運動やマッサージなどで対応しましょう。

また胃薬、点眼薬、抗アレルギー薬、ステロイド外用剤、サプリメント、漢方薬なども質問される事の多い薬ですが、ほとんどの薬は問題ありません。念のため妊婦健診の際に担当医師に気軽にお尋ねください。

帝京大学病院では、薬の赤ちゃんへの影響(特に奇形)が心配な妊婦さんのために2024年4月より厚労省の事業の拠点病院の一つとして「妊娠と薬外来」を設置しました。詳しくは病院ホームページ「妊娠と薬外来」(https://www.teikyo-hospital.jp/medical/especial/pregnancy_medicine/)をご覧になってください。

(表をクリックすると大きな表が表示されます)

産婦人科 総合周産期母子医療センター長 病院教授 笹森 幸文

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