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帝京がんセンター 切れ目のない診療をめざす

がん放射線治療チーム

ごあいさつ

我々がん放射線治療チームは、安全で高精度ながん放射線治療を提供します

がん放射線治療チームは、年間約600~700人の患者さんに対して主に悪性腫瘍に対する放射線治療を提供しています。対象疾患は全身のあらゆる臓器で、乳がん、頭頸部がん、肺がん、泌尿器がんに対する高精度治療や症状緩和照射を数多く行っています。放射線治療を受ける患者さんの年齢も小児から高齢者まで幅広く、その病状や全身状態、また社会生活などを考慮して、手術や薬物療法など他の治療法を含めて最適な治療法を選択しています。

がん放射線治療チームリーダー 白石 憲史郎
がん放射線治療チームリーダー
白石 憲史郎


がん放射線治療チームについて

がんは1981年以降死因のトップを独走しており、現在では日本人の2人に1人が一生のうちにがんに罹患し、3人に1人ががんで死亡しております。近年、放射線治療技術の進歩はめざましく、副作用の少ない、効果的な放射線治療法がどんどん開発されてきており、従来は手術で治療されていたがん患者さんをはじめ、放射線治療を受けるがん患者さんは急速に増えてきています。
当チームの医師は白石憲史郎病院教授のもと、常勤医:3名、非常勤医:4名の医師計8名(うち放射線治療専門医6名)で構成されています。また看護師、医学物理士、診療放射線技師、受付と一緒に看護ケア、治療計画・品質管理、照射、予約管理を行っています。治療実績は、2021年新患件数は約600名であり、当院入院中や外来通院中の患者さんの他、他院からご紹介いただいた患者さんにも放射線治療を行っています。また当チームでは、体外放射線治療を中心に、腔内照射も行っています。特殊治療として、強度変調放射線治療や定位放射線治療、さらには緩和症例に対しても症状に応じて高精度放射線治療を数多く提供しています。また他科と連携して、手術や薬物療法との併用によって、より一層の治療成績の向上を目指しています。

診療内容

  • 各臓器別診療科と密接な連携をとりながら、個々の患者さんについて治療方針を決定します。
  • 病気の状態によっては、放射線治療と薬物療法を組み合わせて臓器の形態・機能温存を目的とした治療を行っています。
  • 手術と組み合わせて、その前後に放射線治療を行っています。例えば、乳がん・頭頸部がん・直腸がん・食道がん・骨軟部腫瘍などを対象にしています。特に乳房温存または乳房切除術後の放射線治療は、リーダーの専門性を生かし診断の時点から治療指針に意見しながら、多くの症例に緻密で質の高い治療を行っています。
  • 副作用を減らし、病巣に正確に放射線をあてるために、多くの疾患に対し3次元照射、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy : IMRT)を行っています。
  • 毎回の治療のたびに腫瘍と正常臓器の位置関係を確認するために、画像誘導放射線治療(Image-Guided Radiotherapy : IGRT)を行っています。
  • 小さな脳腫瘍や肺がん、肝臓がん、膵臓がん、前立腺がん、脊椎転移などに対して定位照射(Stereotactic Radiotherapy : SRT)を行っています。
  • RALSを用いた小線源治療(腔内照射)を行っています。
  • 左乳がんに対して深吸気息止め照射(Deep Inspiration Breath Hold : DIBH) を行なっています。
  • がんによる症状を迅速な症状緩和を目的とする高精度放射線治療を、骨転移や脳転移などに実施しています。

診療実績

  • 年間約600~700人の患者さんに対して放射線治療を実施しています。放射線治療装置を更新した2018年以降は高精度放射線治療(IMRT/SRT)が提供された患者さんの割合は顕著に増加傾向であり、2022年度末に本邦初となる放射線治療装置の更新が控えており、さらに増加することが予想されます。

がん放射線治療チームの特徴

強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy : IMRT)とは、治療したい部位(腫瘍)、逆に照射をしたくない部位(正常臓器)、そして放射線の量を入力して、治療計画専用のコンピュータ自体に最適な照射方法を導き出させて、放射線を当てる形状と時間を変化させたビームを複数用いて、腫瘍に放射線を集中させて正常臓器への放射線を減らして照射する方法です。また、IMRTの進化形であり、照射装置が回転しながら治療を行う強度変調回転放射線治療(Volumetric Modulated Arc Therapy :VMAT)と呼ばれ、下記のような部位に適用しています。
・適用疾患:頭頸部がん、肺がん、食道がん、子宮頸がん、乳がん、骨軟部腫瘍など

定位放射線治療(SRT)

定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy : SRT)とは、比較的小腫瘍に対して、さまざまな方向からピンポイントで、かつ従来の放射線治療よりも大線量を短期間に照射する方法です。我々は、2020年度のSRT保険適応拡大を機に、転移性骨腫瘍及びオリゴ転移(少数個の転移のみ存在する状態)など下記のような部位に適用しています。前立腺がんでは後ろに接している直腸の出血を防ぐため、間にスペーサー注入を行います。また位置決め(次項のIGRT)の精度向上のため、各標的臓器に小さな金マーカーを留置しています。いずれも身体の負担はほぼ皆無です。
・適用部位:脳、肺、肝臓、膵臓、骨軟部、オリゴ転移、前立腺等

画像誘導放射線治療(IGRT)

画像誘導放射線治療(Image-Guided Radiotherapy : IGRT)とは、毎回の治療のたびにさまざまな手法を用いて腫瘍と正常臓器の位置関係を確認して、正確に照射をする方法です。腫瘍と正常臓器の位置関係は身体の外からは見えません。そのため、照射装置搭載CT装置と被ばくのない可視光を用いた体表面光学式トラッキングシステム「Catalyst HD」を併用して、位置関係を確認して狙いを定めて照射を行っています。被ばくのない可視光を用いたIGRTは、体表面画像誘導放射線治療(Surface-Image Guided RadiationTherapy : SGRT)と言います。

RALS

RALS(Remote After Loading System)は、身体の中から放射線を照射する方法(内部照射)です。放射能を持つ物質(Ir-192)を腫瘍の近くに設置したアプリケータ内にいくつかの位置で数分間留置させることにより、治療したい部位(腫瘍)に集中的かつ効果的に放射線が照射され、照射をしたくない部位(正常臓器)にはほとんど影響がなく、副作用の少ない照射法です。

DIBH

深吸気息止め照射(DIBH:Deep inspiration breath hold)は、左乳がんに対する照射の際に、息を大きく吸ってもらうことで乳房と心臓の距離を離すことで、心臓へあたってしまう放射線の量を減らして副作用を減らす方法です。DIBHでは、自発的な患者さんの呼吸の位置再現性が課題となりますが、我々はSGRTを用いて、患者さんの体表面形状をリアルタイムで取得して、患者の呼吸状態と目標の吸気量までの一致度を正確に確認することができます。DIBHに対してSGRT を併用することで、治療期間中を通して、ビーム照射中の呼吸による位置誤差を排除した高い再現性を確保することが可能になります。

緊急緩和的高精度照射

放射線治療は、腫瘍による症状の緩和的治療法としても有効です。緩和的放射線治療の主な対象疾患のうち脊髄損傷による脊髄横断症状などは、緊急緩和的照射の対象であり、すみやかな治療開始が望まれます。我々は、緊急緩和的照射の症例に対して DCAT(Dynamic Conformal Arc Therapy)と呼ばれる腫瘍への線量集中を実現し、準備期間を短縮させる高精度照射方法を確立しています。


ムービー

帝京メディカル「最新放射線治療〜緻密で的確な照射法〜」


がん放射線治療チームの診療スタッフの役割

放射線腫瘍医

診療各科と協力して、患者の病態や病勢に併せたがん放射線治療のコンセプトを決定

看護師

初診・治療中・その後のフォローまでの長期間にわたり、がん放射線治療に特化した看護ケアを提供

医学物理士

治療コンセプトを実現する最適な治療計画の立案・検証および放射線治療プロセス全体の品質管理・保証・医学物理研究

診療放射線技師

放射線治療装置を用いた照射の実施・治療計画用CTの撮影

受付

治療計画CTや放射線治療の予約スケジューリング管理、外来・入院患者の治療/診察マネージメントその他庶務


がん放射線チーム受付(治療・RI受付)

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