薬剤部の教育・研修
薬学生の実務実習
実習生が大学で学んだ薬学の知識を実際の症例や事例で活用して、課題に対応できる実践的な臨床能力を修得できることを目指しています。薬剤部では各部署に実習推進担当者を配置し、実習生と薬剤師が共に実りのある実務実習となるよう、協力して実習内容のブラッシュアップを図っています。将来、医療や薬学関連領域で働く実習生に対して、視野を広げ多面的な考えを持つための良い経験が積めるよう、薬剤部員一同で実習生の将来に対するサポートとなる実習にしたいと考えています。
第11回薬薬連携研修会「AYA世代のがん治療と妊娠・授乳期における薬剤師の支援~地域と病院の連携による包括的アプローチを目指して~」を開催いたしました(ご報告)
病院と薬局の薬剤師が連携を強化し質的向上を図ることを目的として地域の保険薬局薬剤師を対象とした「第11回薬薬連携研修会」を6月18日に開催いたしました。
今回も前回に引き続き、Zoom®を活用したWEB形式での実施となりましたが、近隣の保険薬局や関連施設などから45名の方々にご参加いただきました。
第11回研修会では、当院薬剤部の島忠光および仲村聡美より、それぞれ「AYA世代のがん患者が抱える課題」と「妊娠と薬外来の活動と現状」について講演を行いました。
今回は、第4期がん対策推進基本計画の全体目標である「誰一人取り残さないがん対策」という国の方針に基づき、AYA(Adolescent and Young Adult)世代をテーマに取り上げました。思春期から若年成人期にあたるAYA世代は、医療・就労・教育・妊孕性(生殖に関すること)・育児など、多面的な課題を抱えやすい年代ですが、AYA世代のがん患者が抱える不安や問題に対して医療者の関与が十分ではないとされています。研修会を通じて、参加者の皆さまがこの世代の患者さんに対する理解を深め、実際の業務の中で少しでも意識を向けていただければ幸いです。
全国的にも、AYA世代への支援体制はまだ十分とは言えない状況ですが、当院としては引き続き薬局との連携を強化し、多くの患者さんが適切なサポートを受けられるよう、体制の整備に努めてまいります。
薬剤部では、これからも充実した多職種連携の強化、さらには地域保険薬局との連携強化を通じて、より一層質の高い医療を提供できるように貢献していきたいと考えています。
第12回も開催を予定しております。詳細につきましては、決まり次第当院ホームページに掲載する予定です。是非、ご参加いただきますようよろしくお願いいたします。
薬剤師卒後教育研修プログラム
帝京大学医学部附属病院薬剤部は、科学の進歩に伴う医療の高度化、少子高齢化社会における地域医療連携と国民の健康維持・増進という観点から、社会や医療現場の期待に応え、地域住民や個々の患者のニーズに対応できる薬剤師の養成を目指すため、薬剤師の卒後教育研修プログラムを提供している。
基礎や臨床および社会薬学領域での研究の意義を理解し、医療における問題点を科学的・論理的に考え、薬学的視点から問題解決を推進する姿勢を示すことができる薬のプロフェッショナルとして、誰からも信頼される薬剤師を育成することを目的としている。
本教育研修プログラムは、近隣の保険調剤薬局薬剤師や中小病院の薬剤師と相互に連携を取りながら、今後の医療体制に対応すべく多くの薬剤師に活用いただける内容になっており、新人職員配属ローテーションとして初級研修コースを設け充実したプログラムが作成されている。薬剤部では日本医療薬学会の専門・指導薬剤師、がん専門薬剤師をはじめとし、外来がん治療認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、栄養サポート(NST)専門療法士など多くの分野における学会認定資格者が担当し、薬剤師の指導を行っている。
本プログラムにおいて、最先端の高度医療を担う地域や各施設で必要とされる資格や人材を育成するために多くの専門的な知識や技能を習得し、再び各施設で活躍することを期待している。